自身のマイナンバーカードのIC情報を読み取ったスマートフォンを持つ河野太郎デジタル相=東京都渋谷区の三井住友銀行オリーブラウンジ渋谷店で2024年8月1日午前9時21分、古屋敷尚子撮影

 河野太郎デジタル相は8日の閣議後の記者会見で、今年12月に予定するマイナンバーカード(マイナ)と健康保険証を一体化した「マイナ保険証」への移行が、事実上、任意であるはずのマイナ取得の強制になっているのではとの指摘に対し「(強制には)まったくならない」と反論した。

 政府は2022年、現行の保険証を廃止してマイナに機能を移す方針を決定。今年12月2日以降、現行の保険証は新規発行されなくなる。廃止後も最長1年間は現行の保険証を利用でき、マイナ保険証を持たない人には当面の間、代わりとなる「資格確認書」が交付されるが、SNS(ネット交流サービス)などには「マイナ普及を急ぐ政府が保険証を人質に、取得を強制している」といった批判がある。

 これに対し、河野氏は「現行の保険証は偽造・なりすましを防ぐことができない。これを続けていくことは問題を引きずることになる」として、「現行の保険証を残すことはまったく考えていない」と述べた。

 一方、政府は6月、マイナの券面を偽造するなどして本人を装った犯罪行為を防ぐため、携帯電話の契約や銀行口座の開設時に必要な本人確認について、マイナに搭載されたICチップ情報の読み取りを原則義務化する方針も決定。開始時期は未定だが、IC付き身分証明書を持たない人などからは不安の声が上がっている。【和田憲二】

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