大雨で被害があった地域では、この週末、住民が片付けや復旧作業に追われた。一方で、なかなか復旧が進まないのが酒田市の北青沢地区。その大きな理由は「重機が入れないこと」だ。

7月25日の大雨で大きな被害があった酒田市北青沢地区。
集落を襲ったがれきや土砂は、10日が経った4日も手つかずの状態で強い真夏の日差しを受けていた。
電気は復旧したが断水はまだ続いていて、復旧のメドは8月末。厳しい生活が続く中、4日には住民向けに罹災証明書の申請の説明会が開かれた。

(住民)
「(Q.いま一番不便なことは?)水が通っていないということ」

この住宅では、土砂が入り込んだ家の中から思い出の品や貴重品を取り出していた。
承諾を得て、中に入れてもらった。

(五十嵐君子さん)
「(Q.出せるものだけ?)ねえ。埋もれてるでしょ? 仏壇の位牌や遺影は息子が全部出したって」

土砂は住宅の1階部分のほとんどを埋め尽くし、人の手ではどうしようもないほどになっていた。
なぜ、集落は土砂に襲われたのだろうか。
その原因は、集落内を流れ、いまは土砂の下に埋まってしまった「小屋渕川」にあった。

(リポート)
「あちらの山の方から沢(小屋渕川)の水が流れているということで、沢の水と一緒に土砂が一気に流れ込んできたということです。そして電柱でせき止められたのか大きな流木が大量に留まっています」

当時の状況について、集落に住む人は…。

(住民)
「木が流れてきて引っ掛かった。(Q.どこに?)橋。(Q.溜まっている所?)あそこが橋だった」

流木や倒れた電柱が小さな橋に引っ掛かり、流れをせき止められた水と土砂が地区にあふれたと見られている。
この地区では、約60年前にも同じような水害が起きている。住民たちは土石流が発生する危険性は理解しているが、「今回は想像を超える雨の量だった」という。

現在、地区につながる国道344号は崩落などで通行できず、仮設のう回路も道が細いため、まだ集落への大型重機の搬入はできない。

(地区の住民)
「早く道路を復旧してもらい、重機を搬入して土砂の撤去をしてもらいたい。そうしないと自宅の復旧はその後になるので」

酒田市は、きょう(5日)の会見で、北青沢の大量の土砂について「公費」での撤去を検討していることを明らかにした。

(酒田市・菅原泰寛建設部長)
「企業(業者)を入れて土砂の撤去を考えている。国道344号が復旧し重機が入れるようになった時点で大きな重機を投入しようと」

国道を管理する県によると、早ければ今週中にも片側交互通行で国道を復旧させ、集落に重機が入れるようにしたいという。

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