押収された香水や小分けボトル。偽造香水を作るための「レシピ」もあった=愛知県警瀬戸署で2024年8月5日午前11時14分、荒木映美撮影

 高級ブランドの香水の偽物を販売したなどとして、愛知県警は5日、愛知県瀬戸市の香水販売会社「ジーラック」社長、中嶋恒彦容疑者(40)=名古屋市西区=を詐欺容疑などで逮捕した。同社は大手通販サイトに「香水の館」という店名で出店し、偽造した香水をブランド品と偽って販売するなどし、年間約12億円を売り上げていたとみられる。

 逮捕容疑は5月8日ごろ、大手通販サイトを通じて注文した名古屋市熱田区の女性(55)に、偽のシャネルの香水セット(1・5ミリリットル×3本)を販売し、代金1680円をだまし取ったなどとしている。容疑を認めているという。

 同社は県警によると、高級ブランドの香水にエタノールを混ぜたり、自社ブランドの香水を詰めたりしたボトルを、本物の香水と偽り販売していたという。シャネルやクロエなど20社以上、80種以上のブランド香水を偽造していたとみられる。配合は社内でマニュアル化されており、2021年ごろから偽造していた疑いがある。

 同社運営サイト「香水の館」には「匂いが違う」「薄い」などといった口コミが寄せられており、元従業員らの証言などから事件が発覚した。県警は他にも偽造に関与した社員がいるとみて調べる。

 中嶋容疑者は、新型コロナウイルス対策の雇用調整助成金を詐取したとして詐欺容疑で既に逮捕、起訴されている。【田中理知、荒木映美】

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