大原漁港に初水揚げされ、かごから選別台に移されたイセエビ=いすみ市で2024年8月2日午前8時、高橋秀郎撮影

 高級食材として知られるイセエビの漁が千葉県内で解禁(1日)になり、全国有数の水揚げを誇るいすみ市の大原漁港で2日、今季初の水揚げがあった。初水揚げ量は約4・2トンで、天候に恵まれず例年の4分の1にとどまった昨年(約445キロ)の10倍近くに達した。

 同漁港から十数キロ沖には水深20メートル前後の「器械根(きかいね)」と呼ばれる岩礁群があり、黒潮と親潮がぶつかる栄養豊富な好漁場となっている。

 1日午後1時、市内3漁港から約50隻が一斉に出漁。網を仕掛けて2日未明にイセエビを引き揚げ、荷さばき所に運び込んだ。夷隅東部漁協の職員がかごから台に載せると、エビが勢いよく跳びはねた。職員らは放流対象の全長13センチ以下の稚エビなどを手際よく選別した。

 卯栄丸船長の荘司雄一さん(44)は「経験したことがない多さ。水温や潮流など条件が良すぎたのか、かかり過ぎだ。漁の期間は長いので、うれしいより心配」と話した。

 同港では、「いすみイセエビまつり」が今月から10月までの毎週日曜日(8月14日は臨時開催し9月22日は休み)にあり、イセエビのつかみ取りなどが行われる。【高橋秀郎】

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