厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 覚醒剤や大麻を所持していたなどとして、中高生3人が逮捕された事件。違法薬物の若者への浸透に捜査機関は警戒を強めている。中でも大麻は、より依存性が強い薬物の使用につながる「ゲートウエードラッグ」と呼ばれ、急速に浸透している。

 厚生労働省の統計によると、大麻の所持などで2023年に検挙された20歳未満は1246人。14年は80人で、10年間で15・6倍に増加した。

 海外では大麻が合法化されている国があるとの情報や、使用に伴う心身への影響が少ないといった誤解がSNS(ネット交流サービス)で広まっていることが背景にあるとみられる。

 厚労省が所管する「国立精神・神経医療研究センター」は21年度に全国の高校生を対象にした調査で、「SNSなどで大麻を肯定するような情報があふれ、使用に対する動機を高めている可能性がある」と指摘した。

 乱用すれば記憶力の低下や幻覚・幻聴を招くことから、同省は「間違った情報に流されず、正しい知識を持ってほしい」と呼びかけている。【川地隆史、小坂春乃】

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