犯罪で得た収益を別の口座に送金するなどして、正当な資金であるように装う「マネーロンダリング」を繰り返していたグループが摘発された事件で、組織のトップ2人が再逮捕されました。

またこの組織では主に3つの担当に別れて、「マネーロンダリング」を行っていたことが新たにわかりました。


■オンラインカジノの賭け金を「マネーロンダリング」

詐欺や組織犯罪処罰法違反の疑いなどで再逮捕されたのはいずれも自称・会社役員の石川宗太郎容疑者(35)と山田浩輔容疑者(39)です。

2人は2021年から去年にかけて、富山県の40代の女性を代表とする実態のない会社を設立し、その会社の口座に入金された、違法なオンラインカジノの賭け金およそ8万円を他の資金とあわせて複数の口座へと送金し、違法な金ではないように装った疑いなどが持たれています。

警察は2人の認否を明らかにしていません。

■大規模な「マネーロンダリング」組織 「リバトングループ」とは

警察によるとグループでは、石川容疑者がトップ、山田容疑者がナンバー2を務め、「リバトングループ」と名乗っていました。

名前は石川容疑者の「石」」と「川」をそれぞれ英語にしてさかさまにした「リバー・ストーン」に由来するということです。

グループの傘下にはおよそ500のペーパーカンパニーがあり、4000以上の法人口座を管理していました。

口座にはおよそ600億円が入金されていて、犯罪収益のマネーロンダリングを繰り返していたとみられます。

■3つの担当に分けて業務を担当 組織化されていた実態

さらに今回、グループでは3つの担当に分けて、マネーロンダリング業務を行っていたことが新たにわかりました。

1.ペーパーカンパニーの設立や口座の開設サポート業務を行う法人・案件管理担当。
2.口座残高に応じて資金移動の一部を自動化することなど、システムの管理担当。
3.幹部から指示されたとおりにペーパーカンパニーの口座間で資金を移動させる送金管理担当。

全体で40人から50人のメンバーがいたとみられ、まるで企業のように組織化されていたことがうかがえます。

■石川容疑者らは3回目の逮捕 残る1人はいまも海外か

これまでに15人が逮捕されているリバトングループ。

石川容疑者と山田容疑者は先月、警察に公開手配された後、ドバイから日本に帰国したところを逮捕されていて、今回で3回目の逮捕になります。

同じく公開手配されているグループのナンバー3とみられる池田隆雅容疑者(38)は現在も海外にいるとみられ、警察が情報提供を呼びかけています。

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