広島市の平和公園にある「被爆アオギリ」の木が弱っている問題で、隣に「G7サミット記念館」を建設した際にアオギリの根を切断していたことが分かりました。

この問題は平和公園にある被爆アオギリのうち1本が今年5月に「G7サミット記念館」が建設されて以降、弱っているものです。
広島市は、「記念館」の壁に当たった日差しが乱反射しアオギリに影響を与えた可能性があると指摘されたことから24日朝、記念館に遮光ネットをかけました。

【久保田千晶記者】
「今年5月にできたサミット記念館です。そのすぐ隣に被爆アオギリがあります。記念館建設にあたり樹木医の適切な判断のもと根を切るという処置をしたそうです」

広島市によりますと今年3月、「記念館」の基礎部分を工事する際に被爆アオギリの根を一部、切っていたことがわかりました。
広島市は弱ってきたことに影響しているかは分からないとしながらも判断に問題はなかったとしています。

【広島市秘書課・山田孝志課長】
「(記念館を)設置するときも被爆樹木に影響ないように配慮して建てたが、結果としてこういうことになっているので、今はとにかく状況が少しでも改善できるようにとれる対策をということで、こういった作業(遮光ネット)を考えている」

このアオギリは爆心地からおよそ1.3キロで被爆しながらも新芽を吹くなど平和を象徴する存在として親しまれてきた樹木で、広島市は今後、アオギリに肥料を与えるなど対策をとる方針です。

<スタジオ>【記者の目・取材メモ】
現地で取材した広島市政担当の久保田記者によりますと、記念館のすぐそばには2本の被爆樹木があり、そのうち記念館に近いほうの木だけが全体的に葉が白っぽく変色しているということです。

広島市は定期的にアオギリの生育状況を確認していて、今月上旬に樹木医が弱っていると指摘しました。

記念館の建設と被爆アオギリが弱ったことに因果関係があるかどうかははっきりと分かっていないんですが、平和の象徴の「被爆樹木」を今後しっかりと保護していく必要があります。

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