2022年大会で出場者が釣り上げたカジキの検量式の様子。このマカジキは55.8キロだった=茨城県提供

 茨城県大洗町で毎年行われているカジキ釣り大会「茨城インターナショナルフィッシングフェスティバル」について、実行委員会事務局を務める県は、世界で最も賞金が高いメキシコのカジキ釣り大会と提携したと発表した。3年目の今年は、8月30日から9月1日までの3日間、大洗町の大洗マリーナ周辺で開催する。

世界で最も賞金が高い大会と連携

 実行委が提携したのは、メキシコのリゾート地・ロスカボスで開催しているカジキ釣り大会。新たな取り組みとして、茨城大会の優勝チームにロスカボス大会の出場費用(100万円)を贈呈したり、副賞としてロスカボス観光局が高級テキーラを提供したりする。賞金総額も昨年より200万円高い500万円まで引き上げ、リゾート地を目指す大洗エリアの世界的な認知度向上を図るという。

 昨年は39隻、200人あまりが出場した大会に今年は、招待選手としてプロ野球ソフトバンクホークスや米大リーグ、シアトル・マリナーズなどで捕手として活躍し、民放の釣り番組に出演する城島健司氏が初参加する。1回目から3年連続で参戦することになる、元マリナーズの佐々木主浩氏との元メジャーリーガー対決に注目が集まる。

2023年大会でカジキを釣り上げる出場者。大洗沖は全国有数のカジキ釣りのスポットとして知られているという=茨城県提供

 陸上の会場周辺では今回初めて、飲食店に大会サポーターになってもらう仕組みを作る。大会ホームページで店をPRしたりする一方、店には出場選手に「ドリンク1杯無料」などのサービスを任意で提供してもらう。主戦場が海上となる大会で、陸上にいる県民との一体感を作りたい考えだ。

 また大会最終日の9月1日は防災の日に当たることから、プロレスラーの蝶野正洋氏による防災の意義を学ぶトークショーを開くほか、カジキの解体ショーもある。

「リゾート構想」の一環

 県は5年前から、ラグジュアリーホテルの誘致などを通じて魅力的でおしゃれなリゾートを目指す「ひたちなか大洗リゾート構想」を推進している。県とひたちなか市、大洗町はこれまで、少なくとも2・5億円をこの事業に投入。カジキ釣り大会もこの構想の一環と位置づけており、メキシコとの提携を契機に、海外の富裕層を茨城に呼び込むことを目指している。

 構想の数値目標は定められておらず、進展状況は見えにくいが、県によると、県立大洗水族館のリニューアルによる集客力向上や、サンビーチ周辺の整備などで一定の成果をあげているという。大井川和彦知事は「(歩みは登山に例えると)3合目ぐらい。まだまだできることがある」などと話している。【寺田剛】

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