海上保安庁が入る中央合同庁舎第3号館=東京都千代田区霞が関で、本橋和夫撮影

 海上保安庁は19日、佐世保海上保安部(長崎県佐世保市)に所属する巡視艇など5隻の乗組員23人が、航海した際に支給される「航海日当」を過大に受給していたと発表した。不正を行っていた乗組員には船長も含まれており、海保は同様の不正が行われていないか全国調査を行う。

 同庁によると、不正があったのは佐世保海保の小型巡視艇4隻と放射能調査艇1隻で、判明している不正受給額は6月分の計約1万3000円。航海日当は、乗船した時間や役職に応じて1日当たり最大1410円が支払われる。航海が短時間だった場合は日当が減額されるが、5隻の乗組員らは航海日誌などに虚偽の内容を記載し、長時間乗船していたように装って満額を受給していたという。

 6月中旬、不正受給に関する公益通報が寄せられ、海保が内部調査を進めていた。今後、全国の船艇について過去3年間分の日当を調査し、船の位置情報のデータなどと照合して不正の有無を確認する。

 記者会見した同庁の浅井俊隆政務課長は「このような事案を発生させておわび申し上げる」と謝罪した。【原田啓之】

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