学校(写真はイメージ)=ゲッティ

 宮城県名取市立中学校に通っていた当時3年の少年(15)が2023年12月に自殺を図り、いじめが原因だと訴えていることが判明した。市教委はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定。第三者委員会を設置し、事実関係の調査を進めている。

 少年の母親と代理人弁護士が18日に仙台市内で記者会見し、明らかにした。母親によると、少年は小学1年時に発達障害の「自閉スペクトラム症」と診断。中学校では、特別支援学級に在籍していた。普通学級でも授業を受けていたが、同級生から「うざい」「死ね」などと暴言を受けたり、筆箱を隠されたりするなどした。また、授業中に問題に答えられないと、教師から大声で詰問されるなどしたという。

 少年は23年12月、自殺を図り、重傷を負った。少年が書いた遺書には「いつか死にたいという毎日をずっと繰り返していました」などと記されていた。現在はリハビリ中で、高校入学を目指して塾に通っているという。

 名取市教委は少年の自殺未遂を重大事態と認定し、第三者委員会を設置。関係者への聞き取りや指導資料の調査などを通じ事実関係を調べている。

 母親は「普通学級ではなく、特別支援学級にいながら十分な対応をしてもらえるよう求めたが、応じてもらえなかった」と学校側の対応を問題視。また、第三者委から少年本人が聞き取りを受けていないなどとして、今月17日に再調査をするよう市教委に申し入れた。

 滝沢信雄教育長は毎日新聞の取材に「本人に聞き取りをしないのは少年の心情を考慮した第三者委の判断だ。調査が進み次第、報告書としてまとめたい」と説明した。【遠藤大志】

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