東京地裁=東京都千代田区で2020年1月15日午前10時36分、米田堅持撮影

 横浜地検の検事から取り調べ中に「ガキ」「お子ちゃま」などと言われて精神的苦痛を受けたとして、犯人隠避教唆罪で起訴され、有罪が確定した元弁護士の江口大和さん(38)が国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、取り調べの違法性を認め、国に約110万円を支払うよう命じた。

 訴状によると、江口さんは2018年10月、無免許で死亡事故を起こした男性に虚偽の供述をさせたとして横浜地検特別刑事部に犯人隠避教唆容疑で逮捕された。起訴されるまでの21日間で計56時間超の取り調べを受け、黙秘を続けた。

 江口さん側は、黙秘権の行使を伝えたにもかかわらず、取り調べで検事から「お子ちゃま的発想」「ガキだよね、あなたって」といった発言で侮辱され、人格権や黙秘権を侵害されたと主張した。

江口大和さんが検事から受けた取り調べを録音・録画した映像の一部=江口さんの代理人弁護士提供

 国側は発言自体は認めた上で、真実を話すよう説得するという趣旨であり、「(江口さん側の主張は)一部の発言だけを切り取って曲解している」として請求を棄却するよう求めていた。

 訴訟では、国側が取り調べの録音・録画の映像を提出し、一部が法廷で再生された。【菅野蘭】

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