世界自然遺産・知床で国などが進めている携帯電話基地局の整備計画。

 地元・北海道斜里町の住民団体は太陽光パネルの設置中止を求める4万8000人分の署名を町に提出しました。

 手付かずの原生林が広がり、希少な動植物が生息している世界自然遺産・知床。7月17日、知床は世界自然遺産の登録から19年を迎えました。

 その知床で携帯電話の基地局の整備が進められています。

 半島の先端に246枚の太陽光パネルを設置し、2キロにわたってケーブルが埋められる計画です。17日、上空から見ると…。

 半島に近い文吉湾には作業員のためのプレハブ小屋が建っているほか、資材も置かれているのが分かります。

 整備計画のきっかけは、2年前に知床沖で起きた観光船KAZU1の沈没事故です。当時、船長の通信手段は携帯電話に限られていましたが、航路の大半が圏外でした。

 そこで持ち上がった基地局の整備計画ですが…。環境を破壊し、景観も損なわれるとして、反対意見が相次ぎ、17日、斜里町の住民団体が約4万8千人分の反対署名を町長に手渡しました。

 「野生動物にとっても非常な貴重な場所なんだということを再考して、太陽光パネルを作るなというくらい強いコメントを環境省として出してほしい」(知床の自然を愛する住民の会 午来 昌元斜里町長)

 整備計画をめぐっては専門家からも自然への影響を懸念する意見が相次ぎ、現在、工事は中断されています。

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