今回の大雨では土砂災害への厳重な警戒が呼びかけられ、最も多い時で59世帯71人が避難所に身を寄せました。

命を守る行動が大切なことはわかっていても、家族の事情で避難を躊躇する人達もいます。

取材から見えてきた課題とは?

長崎市岩瀬道町では14日午前11時ごろ、住宅の裏手の土砂が崩れました。

高さ5メートル、幅10メートルと広範囲でしたが、当時、家にいた2人にケガはありませんでした。

住民
「がけ崩れとか、何十年も住んでいるが、初めてだったのでびっくりした」「怖かった。音がすごかった」

土砂と木が窓に押し寄せている状況に警察は住民に避難を提案しましたが・・・

住民
「もう家の中は大丈夫なので、母も足が弱いから避難しません。大丈夫だと思います」

防災について研究している東京大学大学院の松尾一郎 客員教授は災害のリスクを理解しておくことが安全を確保する行動につながると話します。

松尾一郎 客員教授
「従来、何もなくて避難してくださいと言われても無理だというのが現状。どんな危険性があるかをみんなが理解できていれば避難する。そこが共有できていない」

長崎地方気象台によりますと、県内を含む九州北部地方では1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降る回数が40年前と比べ、約1.5倍に増えていて、雨による災害のリスクは確実に高まっています。

松尾教授は、いざという時に互いに避難を受け入れるなど、日ごろからコミュニケーションをとり地域が住んでいる人の状況を把握することが重要と指摘します。

松尾一郎 客員教授
「災害は地域で発生する。私たちが暮らすところで土砂災害が発生するし、河川が氾濫する。どんな災害が起こるかを地域で話し合って、災害から命を守るために家族、孫を守るために、どのような行動をしたらいいか日頃から話し合っておく」「これほど災害に強いものはないと思うので、そういう準備をやってほしい」

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