能登半島地震で大規模な火災に見舞われた石川県輪島市の「輪島朝市」が10日、市内の商業施設で再スタートした。震災以降、県内外で出張営業をしてきたが、地元での開催は初めて。海産物や工芸品を扱う約40店が参加し、輪島に久しぶりの活気が戻った。
日本三大朝市の一つといわれる輪島朝市は、市中心部の朝市通りに約100店が並び、観光名所として人気を集めていた。元日の地震で一帯は焼失。店を出していた多くの組合員が被災した。
営業が再開された場所は、朝市通りから約1キロ南にある商業施設「ワイプラザ輪島」。施設の運営会社が組合側に開催を打診し、組合員たちが出張営業の一環で準備を進めてきた。
商業施設の通路には、かつての光景を再現するようなオレンジ色のテントが張られて店が並んだ。午前9時の開店時間を迎えると、待ちかねた大勢の客が訪れ、顔なじみの店主らと再会を喜び合う人もいた。
青果を販売する「八百義」の田中そとえさん(75)は「みんなと店を並べて出すのはうれしい」。会場で花や野菜を買ったという市内の女性(70)は「場所は違うけれども、やっぱり活気が出る。これからも通いたい」と喜んだ。【深尾昭寛】
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