ランドセル素材メーカー「クラレ」が小学校の卒業を控えた6年生に将来就きたい職業を聞いたところ、男子は「スポーツ選手」が不動の首位、女子は「漫画家・イラストレーター」が3年連続トップだった。近年活躍がめざましい職業が人気で、新型コロナウイルス禍などを経て「人の命を守りたい」という子供たちの意向も反映されている。
調査は2015年から毎年実施。今年1~3月、使い終わったランドセルをアフガニスタンの子供に贈るクラレの活動に協力した子供を対象に、自由記述で聞いた。有効回答数は男児314人、女児343人。
男児のトップは10年連続で「スポーツ選手」(17・8%)。競技別では、野球(35・7%)、サッカー(33・9%)にバスケットボール(8・9%)が上位に並ぶ。バスケは自国開催だった21年東京オリンピックを除き48年ぶりに男女そろって自力での五輪出場を決めるなど活躍が目立っており、注目を集めているようだ。
「IT関係」(5・4%)は、19年の13位から徐々に順位を上げ、過去最高の3位に入った。小学校でプログラミングの授業が取り入れられ、身近に感じる人も増えているとみられる。
4位の「医師」(4・5%)は「コロナ禍以降、仕事の大切さや意義が見直されている」(クラレ)といい、前回の7位、前々回の10位から順位を上げた。元日に発生した能登半島地震など自然災害が相次ぐ中、前回20位以下だった「消防・レスキュー隊」も13位に浮上した。近年人気のユーチューバーも同率で13位だった。
一方、女児のトップは22年から3年続けて「漫画家・イラストレーター」(7・9%)で、このうち約9割がイラストレーター志望。デジタル化で幅広く活躍が見込める分野として関心が高まっているようだ。
2位「医師」(6・1%)▽4位「看護師」(5・0%)▽7位「医療関係」(4・1%)▽10位「薬剤師」(3・8%)と医療系の職業も上位に多く入った。
6位は「美容師」(4・4%)で、前回の8位、前々回の11位から順位を上げた。多様性が重視されるようになり、さまざまな髪形や髪色を楽しむ人を目にする機会が増えた影響とみられる。【嶋田夕子】
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