報道陣に囲まれながら清和政策研究会があるビルに入る会計責任者の松本淳一郎被告=東京都千代田区で2023年12月19日午前8時50分、玉城達郎撮影

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた清和政策研究会(安倍派)事務局長兼会計責任者の松本淳一郎被告(76)は9日、東京地裁での被告人質問で、虚偽記載の中止を派閥幹部に進言していたと明らかにした。虚偽記載を認識し、続けさせた幹部がいた可能性があるが、検察側は幹部の名前や具体的なやりとりは尋ねなかった。

 検察側から収支報告書への虚偽記載をやめるよう幹部に進言したことはなかったか問われた松本被告は「以前仕えていた昔の幹部に何度か話した」と述べた。検察側は冒頭陳述で、収支報告書の作成に幹部ら国会議員は関与していないと指摘していた。

 松本被告は前回の公判で、パーティー券収入のノルマ超過分のキックバック(還流)について「一度中止が決まった後、幹部議員が復活要求し、再開された」と語っていた。

 9日は、検察側から復活要求した幹部は誰なのかと問われたが、「ご本人が自らおっしゃっていただいていないので、この場で私から答えるのは差し控えたい」と述べた。【井口慎太郎】

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