追悼の灯がともされた灯籠の前で黙とうする町野町地区の住人ら=石川県輪島市で2024年7月1日午後7時31分、前田梨里子撮影

 元日の家族とのだんらんを襲った能登半島地震から1日で半年がたった。石川県輪島市町野町地区に建てられた町野小仮設住宅の周辺ではこの日の夜、約400個の紙の灯籠(とうろう)に追悼の灯をともすイベントが開かれた。

 町野町地区では、2月から毎月1日に追悼の灯をともしてきた。被災地を励まそうと、NPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯(あか)り」(神戸市、藤本真一代表理事)が1月末、阪神大震災の犠牲者を悼むガス灯「希望の灯り」の火を届けたことがきっかけだった。

 今回も希望の灯りを分灯して、紙の灯籠に灯をともした。「1・1 NOTO」をかたどった灯籠には「震災に負けない」「能登を思い続けます」などと地域住民やボランティアが記したそれぞれの思いが書かれていた。

 藤本さんは「忘れられる事が一番つらい。(火を届けることで)そうではない、と伝え続けていきたい」と話した。

 仮設住宅に住む会社員の高野雅史(たかのまさし)さん(45)は「被災地の苦労を知る神戸からの支援はうれしい。倒壊した建物の公費解体がなかなか進まず、焦る気持ちもある。一緒に頑張っている住民と力を合わせて必ず復興したい」と語った。【砂押健太、国本ようこ】

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