北海道函館市が目指している新幹線の函館駅乗り入れについて、JR北海道の綿貫社長は“現時点で乗り入れは不可能”という認識を示しました。

 函館市の大泉市長は、観光の起爆剤になり得るなどとして北海道新幹線のJR函館駅への乗り入れを目指しています。

 函館市が東京のコンサルタント会社に委託した調査では、新幹線 新函館北斗駅から函館駅までの乗り入れは技術的に可能で整備費用は約160億円、経済波及効果は約120億円と試算されています。

 一方、これまでJR北海道は函館市の調査結果について以下のような懸念を示しています。

 ・調査結果では新たな車両が必要で200億円規模がかかるとなっているが、事業費に含まれていない。

 ・新幹線 新函館北斗駅とJR函館駅のアクセスは、JR北海道として区間を電化したり車両を導入したため役割は果たした。新たな負担は負えない。

 ・調査結果では、在来線の線路をベースして新幹線を走らせることができ、サイズを考えても「こ線橋」の架け替え工事も必要ないとしているが、安全性が保たれるか不安

 JR北海道の綿貫社長は、17日の会見で次のように述べ“現時点で乗り入れは不可能” という認識を示しました。

 「当社は事業主体にはなり得ないと思っているし、承知の通り厳しい経営状態なので、新たな赤字、負担を負うことはできない」(JR北海道 綿貫泰之社長)

 「技術的な裏付けを検討しないと、本当の意味で乗り入れ可能とはならないのではないか」(JR北海道 綿貫泰之社長)

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