英国訪問中の天皇陛下は27日午後(日本時間同日深夜)、ロンドン郊外のウィンザー城にあるエリザベス女王と夫フィリップ殿下の墓に供花された。墓参りは公式行事ではなく私的な位置づけで、生前の女王夫妻から受けた温かいもてなしに感謝する陛下の強い希望で実現した。
女王夫妻はウィンザー城の一角にある聖ジョージ礼拝堂に眠っている。陛下は司祭の案内で礼拝堂の墓前に歩みを進め、供花して黙礼した。
礼拝堂には、英国最高位の「ガーター勲章」を贈られた君主らの紋章のバナー(旗)や名前を刻んだプレートが飾られている。歴代天皇の名前もあり、陛下は墓参りを終えると、礼拝堂の関係者の案内でゆっくりと見て回った。
続く訪問先の王立キュー植物園で陛下は報道陣の取材に応じ、「(女王夫妻に)いろいろお世話になったこと、本当によくしていただいたことに対する、心からの御礼の気持ちで今日は参拝をさせていただきました」と話した。
国賓として公式行事を終えたことを踏まえて訪英の感想を問われると「馬車でのパレードの時も、車で走っていても、多くの沿道の方に手を振っていただき、非常に温かく迎えていただいたことを大変うれしく思っております」と応じた。チャールズ国王らからかけられた「おかえりなさい」との言葉をうれしく思っているといい、「雅子にとってもイギリスは思い出の地ですので、二人で立つことができたことは幸せなことだと思っています」とにこやかに語った。
キュー植物園では温室を見学し、世界各国の植物の種子の保存方法などについて説明を受けた。【ロンドン山田奈緒】
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