「STOP」と英字併記された一時停止の標識=福岡市早良区で2024年6月19日午前10時1分、城島勇人撮影

 福岡県警の岩下剛本部長は、2023年に県内で発生した交通事故のうち、外国人が運転する車両の事故は全体の約3%にあたる582件で、新型コロナウイルス前の水準に戻ったことを明らかにした。外国人労働者や訪日外国人(インバウンド)の増加が背景にあると見られ、岩下本部長は対策を進める考えを示した。

 17日の県議会で民主県政県議団の豊福るみ子議員(遠賀郡区)の一般質問に答弁した。県警によると、外国人が運転する車両の交通事故はコロナ前の18年は574件だったが、感染拡大に伴い21年は428件に減少。22年から増加に転じていた。

 車両事故の内訳を見ると、自転車運転中の事故は18年が90件だったが、23年は105件と約1・2倍に増加。23年の車両の事故原因は追突が最も多く、自転車に限ると出合い頭の衝突が半数を占めた。

「STOP」と英字併記された一時停止の標識=福岡市早良区で2024年6月19日午前10時3分、城島勇人撮影

 一時停止の標識は、日本は逆三角形だが、日本以外の多くの国は八角形を採用。外国人が標識の意味を判別しにくいことが「一時不停止」の一因とされる。県警は17年以降、一時停止標識を「STOP」と英字併記に順次切り替えているが、23年度末時点で県内の一時停止標識約6万本のうち、英字併記は約7700本と約13%にとどまるという。

 岩下本部長は答弁で「交通事故抑止には外国人に我が国の交通ルールを理解してもらうことが重要」と説明した上で、外国人が在籍する企業や学校で交通安全講習をするなど事故抑止対策を推進する考えを強調。インバウンドの増加を見据え「道路管理者と連携し、外国人にも分かりやすい道路交通環境の整備に努める」と述べた。【城島勇人】

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