セブン-イレブン・ジャパンが5月下旬から発売する「twinkle pop」は、韓国では2カ月で全商品が完売したという=セブン&アイ・ホールディングス提供
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 新作エグすぎん?――。かつては、間に合わせの「緊急需要」に応える意味合いで陳列されることの多かったコンビニで買える化粧品「コンビニコスメ」だが、今では若者世代がその品質を絶賛するまでになった。コンビニ各社は、若者を取り込む「起爆剤」と期待しており、5月からは、業界1位のセブン―イレブンが韓国コスメブランド「CLIO」の本格販売を始める。コンビニ業界の若者争奪戦は激しさを増す。

「目的買い」3日で30万個

 <コンビニで買える韓国コスメが優秀すぎる>

<新作チークエグすぎん?もはやコンビニで買えるクオリティー超えてる>

ローソンとロムアンドの共同開発ブランドは2024年3月末時点で330万個以上が売れたという=ローソン提供
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 X(ツイッター)や動画投稿サイトTikTokなどのSNS(ネット交流サービス)では連日、「コンビニコスメ」などのハッシュタグと共に、商品の色味や売り場を紹介する動画や投稿が相次ぐ。

 韓国コスメを充実させている「ローソン」の広報担当者は、「もはやコンビニで販売する化粧品は、間に合わせの『緊急需要』のための商品ではなく、商品目当てに店を訪れる『目的買い』のための商品になった」と手応えを語る。

 同社は2023年、韓国コスメブランド「rom&nd(ロムアンド)」と共同開発したリップやアイシャドーパレットを発売。ブランド人気に加え、少量ずつ購入できる小さなサイズ感、1000円前後の価格帯で反響を呼び、通常の2カ月分に相当する30万個をわずか3日で売り上げるメガヒットとなった。発売初日に商品が欠品する店舗も相次ぎ、SNS上では「どこにも売っていない」「何店もはしごした」と嘆く投稿が相次いだ。

 今年3月からは韓国コスメブランドのシートパックや、シャンプーなど基礎化粧品を新たに投入。店舗内での韓国コスメの充実を図っている。

「ドラコス」になくて「コンビニコスメ」にあるもの

流通アナリストの渡辺広明さん=本人提供
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 ローソン出身で流通アナリストの渡辺広明さん(56)は、ドラッグストアで販売する化粧品、いわゆる「ドラコス」を扱うドラッグストアと比較して、圧倒的な店舗数がもたらす「買い求めやすさ」やスケールメリットによる「開発力」「調達力」をコンビニの強みに挙げる。

 存在感が薄かったコンビニコスメの人気の火付け役となったのはファミリーマートだ。同社は20年に化粧品ECプラットフォーム「NOIN」が提供するブランド「sopo」の店頭販売を開始。店舗でも買えるようになったことから、クレジットカードを持っていない若者にも浸透したが、欲しい時にすぐに購入できるという、多店舗展開がもたらす手軽さが人気を押し上げた。

中長期的な人気にはハードルも

 一方、セブン―イレブンもコスメブランド「ParaDo」などを店舗販売しているが、メインの購買層は30~40代となっている。そこで、10~20代の取り込みを図るために5月下旬に投入されるのが、「CLIO」の姉妹ブランド「twinkle pop」だ。セブン―イレブンによると、韓国で2022年11月に発売され、全商品が2カ月で完売したという。アイシャドーパレットやリップなど6種類22アイテムを858~1397円(税込み)の価格帯で展開する。

ローソンの化粧品コーナー。ロムアンドとの共同開発商品や、韓国ブランドのスキンケア商品が並ぶ=ローソン提供
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 同社の担当者は「twinkle popの展開で、若年層の目的買いにつながることを想定しています」と期待を込める。

 近年、国内のコンビニ業界は来店客数や店舗数は頭打ちの傾向にある。そんな中、集客力が期待されるコンビニコスメについて渡辺さんは、「ブランド力のある韓国コスメの展開は2~3年はうまくいくが、中長期的なブランド支持は容易ではない」と指摘。「トレンドに合わせた色の商品展開や、SNSによる訴求といった持続的な戦略が問われてくる」と話している。【松山文音】

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