「中村彝アトリエ」(奥)を覆うように伸びるコブシの木を指さし、植栽整備などの予定を説明する県近代美術館の金澤宏副館長=水戸市で2024年6月17日午後2時56分、松下英志撮影

 茨城県近代美術館の運営支援協議会は17日から「夭折(ようせつ)の天才画家『中村彝(つね)』REMEMBERプロジェクト」として、同館の敷地内にある「中村彝アトリエ」周辺の植栽整備などのためのクラウドファンディング(CF)を始めた。8月9日までに800万円を目標額とし、多くの県民の協力を呼び掛けている。

 中村彝(1887~1924年)は明治・大正期に活躍した水戸市出身の洋画家で、代表作の一つ「エロシェンコ氏の像」は国指定重要文化財。そのアトリエは1988年の同館開館と同時に、東京・下落合にあったアトリエを新築復元したもので、室内には本人が使ったイーゼル等の遺品を展示している。

 しかし、長い年月で周辺の木々が大きくなり過ぎアトリエの屋根を覆うなどしており、今年11月から同館で開く「没後100年展」に併せ、巨木の伐採や剪定(せんてい)などを行うこととした。CFでは散策しやすい開放的な場所へのリニューアルとともに中村彝の存在を多くの人に知ってもらうことも目的としている。

 運営支援協議会は同館とパートナー企業で組織し、会長は同館館長、副会長は常陽銀行幹部、事務局長は同館副館長が務める。CFは5000円、1万円、3万円、5万円、10万円、30万円、50万円の各コースがあり、5000円なら100年展の招待券2枚、1万円ならオリジナルTシャツ追加、5万円なら年間パスポート2人分等追加――などの返礼品がもらえる。詳細は専用ウェブサイト(https://readyfor.jp/projects/NAKAMURA_Tsune)のほか、同館などに置かれる案内チラシでも申し込める。【松下英志】

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