佐賀県上峰町のボランティア団体「都紀女加(つきめか)王墓と古墳公園を守る奉仕団」は、町の観光振興に役立てようと、県内で初めて鎮西山城跡で発掘された「玳玻(たいひ)天目茶碗」をモデルにしたぐい飲み「玳玻天目酒器」を制作した。【斎藤毅】
奉仕団は町内にある陵墓「都紀女加王墓」や隣接する古墳公園の清掃、花の手入れなどの活動をしている。町木のツバキの花酵母と町産米を使った地酒「鎮西八郎」の製造などにも関わっており、町をPRする話題作りになればと茶碗をモデルにしたぐい飲みを企画した。
「玳玻天目茶碗」は2022年10月~23年8月の鎮西山城跡の発掘調査で見つかった。高さ5・5センチ、口径10・5センチ(推定)、高台径3・2センチ(同)で全体の4割ほどの部分が出土した。材料や形状などから12~13世紀に中国江西省の吉州窯で生産されたものとされる。
ぐい飲みは有田町の真右エ門窯に依頼して100個を制作した。高さ約4センチ、口径約7センチで、出土した玳玻天目茶碗の特徴と同様に釉薬(ゆうやく)の感じがウミガメの甲羅のような文様になっている。
町の観光振興などを担う一般社団法人「起立工商DMO」に5月に寄贈。町の関係者が他の自治体を訪問する際などに観光PR用の贈答品などとして活用する。一般からの問い合わせも寄せられており、評判がよければ販売も検討するという。
ぐい飲みを企画した奉仕団の西村一守さん(75)は「玳玻天目茶碗は鎮西山で発掘された歴史的な宝。ぐい飲みを活用し、日本酒の『鎮西八郎』とともに町に発信してもらい、観光資源になれば」と期待を寄せている。
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