副業を紹介するとうたうインターネットサイトで、求職者から利用料名目で現金をだまし取ったとして、警視庁と千葉県警の合同捜査本部は11日、サイトの運営者で職業不詳、加藤真詩(まさし)容疑者(41)=新潟市中央区東大通2=ら男女26人を詐欺と窃盗容疑で逮捕したと発表した。
加藤容疑者らは「サポー」の名称でサイトを運営。「男性の相談に乗るだけで高額な副収入が得られる」などとネットに広告を出し、サイトに誘導していた。2021年1月からの約2年半で、20~30代の女性を中心に全国の約8600人から総額19億円超をだまし取ったとみられる。
他に逮捕されたのは、いずれも職業不詳で、だまし取った現金を引き出す「出し子」のリーダー格とされる鈴木一樹(48)=千葉県市川市真間1=や、相談者を装ってメッセージを送る「打ち子」とみられる本間佳考(36)=埼玉県川口市栄町2=の両容疑者ら。
逮捕容疑は23年7~9月、「サポー」に副業の会員登録をした東京都の40代女性に、相談相手と個人情報を交換するためサイト内のチャットルームを利用する必要があるとうそをつき、手続き費用名目で約40万円をだまし取ったなどとしている。警視庁は26人の認否を明らかにしていない。
警視庁犯罪収益対策課によると、「サポー」では、打ち子が「女性の部下との人間関係に悩んでいるので意見を聞かせてほしい」などと会員登録した人に相談。回答すれば、報酬を支払うと説明していた。
チャットルームの他に、報酬を受け取るために専用回線の開設などが必要と偽り、追加の利用料を繰り返し要求。サイト内だけで使える「ダイヤ」と呼ばれるポイントを購入させるなどし、現金や電子マネーをだまし取っていたという。
「サポー」は遅くとも24年に入り閉鎖しており、「ピーチリンク」という別サイトに運営が引き継がれた疑いがある。警視庁はサイトや現金を管理し、打ち子らを束ねる指示役がいるとみて調べている。【森田采花】
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