人気ボードゲームのカタンをプレーする高校生たち=東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで2024年6月9日午後2時12分、平塚雄太撮影

 部活動でボードゲームを楽しむ高校生が増えている。東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで9日、交流大会があり、関東近郊の11高校の生徒約110人が参加した。大会は7回目で、参加者が36人だった2018年の第1回大会から3倍に増えた。

 プレーヤーが実際に盤を囲んで楽しむボードゲームは、モノポリーやカタン、カルカソンヌなどが有名だ。この日、各校の生徒や顧問は、有名なものから、日ごろ遊んでいるものを持ち寄るなどしてプレー。歓声を上げたり、他校の戦略や説明を聞いたりしながら楽しんだ。

 静岡聖光学院高校(静岡市駿河区)2年の渋谷龍之介さん(17)は、資材をボードに並べながら町作りを競う、「タイニータウン」を推す。相手のプレーにとって邪魔な資材を指定するなど、駆け引きがカギとなるという。渋谷さんは「その場にいる相手の、反応や顔色をうかがってプレーするのが楽しい。スマートフォンなどのオンラインゲームにはないおもしろさがある」と魅力を説明する。

 資源カードを入手しながら土地を開発したり、騎士を動かしたりしてポイントを稼ぐ「カタン」に夢中だったのは、武蔵高等学校中学校(東京都練馬区)の石井音匡(おとまさ)さん(16)。他校の生徒と話し合いながらプレーし、「大会では知らない人と遊ぶことで、プレーのうまい部分を見ることができて楽しい」と話した。

 石井さんが所属する同校の卓上遊戯同好会の会員は仮入部段階の中学1年生を除き、中2~高2の4学年で42人にのぼる。顧問の岡崎泰雄教諭(49)によると、「新型コロナウイルス禍で外出の自粛要請が続いたため、家庭でボードゲームに親しんだ人たちも多く、人気が出ている」という。

 主催した東京都高等学校ボードゲーム連盟では加盟校が増え、年2回だった大会を今年から3回にし、8月には初めて、個人選手権大会を開く。

 連盟会長で、中央大学杉並高校(東京都杉並区)の思考ゲーム研究会顧問、生田研一郎教諭(52)は「ボードゲームは、他の部活動と違い、審判がいらない。生徒たちだけで楽しめるし、思考力の養成にもつながる。不確定要素や奥が深い部分もあり、初心者から上級者まで楽しめる。多くの学校に広まってほしい」と語った。【平塚雄太】

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