新潟県や柏崎市が国に対して要望していた柏崎刈羽原発で重大事故が起きた際の避難道路の整備について6月6日、内閣府の原子力防災担当者が柏崎市を訪れ「一部は調査となるものの、県や市の負担は求めない形で整備を進めていく」と回答しました。

6日、柏崎市の桜井雅浩市長のもとを訪れたのは、森下泰内閣府大臣官房審議官です。その冒頭、森下審議官が伝えたのは…

【森下泰 内閣府大臣官房審議官】
「柏崎市の曽地とそれから上方のスマートICの整備について、これについては2か所とも整備するという方向で、経済産業省が予算を確保するという方向で対応する」

国や市から要望を受けていた複合災害時の避難道路の整備に対する回答でした。

【森下泰 内閣府大臣官房審議官】
「一部、ご要望いただいたもので調査ということになるものもあるが、全て地方の負担を求めない形で整備する方向で対応する」

この避難道路をめぐっては、おととし12月…

【桶屋美圭アナウンサー】
「国道17号線の高畑では、大型トラック軽乗用車が動けなくなっていて渋滞が発生しています。反対車線を見てみますと、こちらも車が全く動いていない状況です」

大雪の影響により長岡市や見附市を通る国道17号線や柏崎市の国道8号線で大規模な立往生が発生。

国道8号線では解消するまでには約38時間かかり、滞留車が合わせて800台にのぼるなど大雪と原発事故が重なる複合災害時の避難の課題が浮き彫りとなりました。

これを受け、去年7月には県や柏崎市・刈羽村が国に対する要望書を提出。

【花角知事】
「避難道路の確保・整備については、ぜひとも国の責任と負担において進めていただきたい」

複合災害が発生したときに上越方面へも円滑な避難ができるよう、スマートインターチェンジやトンネルの新設など5項目の道路整備を国の負担で実現するよう求めていました。

6日の回答では、スマートインターチェンジの新設や柏崎バイパスの早期全線共用に向け、国が予算を確保し実施する方針を示し、小村峠のトンネル新設についても国の予算で調査を行うとしています。

おおむね要望通りとなった内閣府の回答に桜井市長は…

【柏崎市 桜井雅浩 市長】
「非常に誠実な、私どもにとってみれば実質的なお答えをちょうだいした。森下審議官はじめ、皆様のご努力・ご理解に感謝申し上げる」

調査となった小村峠についても、桜井市長は「本来なら数千万かかる調査を国の予算でやってもらえるのはありがたい」と話します。

【柏崎市 桜井雅浩 市長】
「柏崎市民の皆様のいざというときの避難経路を考えると、小村峠のトンネル化というのは非常に大きなところ。まずは、大工事に至る手前の調査費をつけていただいたというのは非常に大きなファーストステップ」

柏崎市が再稼働の前提条件としていた要望にほぼ応えた形の国。再稼働を急ぐ国の意思が回答に込められています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。