林の中の道を駆け回る何頭もの生き物の正体は、イノシシ。
子どもだろうか、小さな個体も確認できる。

6月2日、青森・南部町の果樹園に現れたイノシシの群れ。

園内に設置されたカメラは、15頭ほどの姿をとらえていた。

何かをあさって食べているように見えるイノシシたち。
そばにいるうり坊は、母イノシシのお乳を飲んだり、園内を走り回ったり好き放題。

イノシシたちが何を目当てにやってきたのかを確かめるため、取材班は果樹園に向かい、話を聞いた。

農家・佐々木元作さんは「肥料用の米ぬか、ここに蓄積しておいていた。ビニールは意味なく食いちぎられた」と話した。

イノシシが狙ったのは、堆肥を作るために置いていたという米ぬか。

周辺でイノシシの群れを目撃したことからセンサー付きのカメラを設置して警戒していたところ、群れが現れたという。

米ぬかをおいしそうに食べるイノシシたち。
取り合うような様子も見られた。

この農家は、イノシシを捕獲しようとわなを設置したが、5日朝に確認に向かったところ、イノシシはかかっていなかった。

農家・佐々木元作さんは「これを見ると足跡が…。中には入ってない、警戒心が強い」と話す。

南部町によると、2022年度のイノシシの目撃は11件だったが、2023年度は4倍近い40件に急増。
2022年度にはゼロだった食害も、2023年度は26件と急拡大している。

田植えが終わった近くの田んぼを見ると、イノシシのものと思われる足跡や泥遊びをしたような痕跡が残されていた。

広島フィールドミュージアム・金井塚務代表は「一定の地域で食べ尽くすと、その親子だけじゃなくて、その周りにいる色んな親子の集まりができて、新しい餌場へ出てくるんですよね。そういう現象の一つだろうとは思います。(米ぬかは)イノシシにとって、ごちそうがそこにあるぞっていうもの」と話した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。