6月5日夕方、JR東海の丹羽俊介 社長が静岡県庁を訪れ、5月に就任した鈴木康友 知事と初めて面会しました。面会は冒頭のみ公開で35分間の予定です。

川勝平太 前知事の辞職に伴い、5月26日の静岡県知事選を経て鈴木康友 知事が就任したことから、JR東海の丹羽俊介 社長は6月5日午後4時15分頃に静岡県庁の知事室を訪れ、鈴木知事と初めて面会しました。

まず、丹羽社長が「この度は静岡県知事への就任、本当におめでとうございます」と挨拶した後、リニア中央新幹線について「南アルプストンネル工事について、大井川の水資源の利用に影響を与えない、それから南アルプスの環境保全に最大限努めるということで取り組んでいます。引き続き、静岡工区の早期着手に向けて、地域の方々のご理解・ご協力が得られるよう、静岡県をはじめとする関係の方々と双方向のコミュニケーションを大切にしながら真摯に取り組んでいきたい。鈴木新知事のもと、静岡県と当社の関係をさらに強化させてもらえれば」と述べると、鈴木知事は「リニア中央新幹線については私も推進する必要があると理解しています。ただ、大井川の水資源の確保と南アルプスの生態系の保全、この両立を図るという方向性については研究していくということです。限られた時間ではあるものの、率直な意見交換が出来ればありがたいです」と返しました。

面会は冒頭の挨拶以外は非公開で、終了後には丹羽社長と鈴木知事のそれぞれが囲み取材に応じる予定です。

静岡県をめぐっては、大井川の水資源や南アルプスの環境に与える影響への懸念から、川勝前知事がリニア中央新幹線のトンネル工事の着工を認めなかったという経緯があり、「リニア推進」を打ち出す鈴木知事の就任をきっかけに新たな局面を迎えるのか注目されています。

こうした中、鈴木知事は丹羽社長との面会に先立ち、6月4日には国土交通省を訪れ、斉藤鉄夫 国交相に就任の挨拶をしました。また、リニア中央新幹線については「必要性は私もしっかり理解している一方、水と環境の問題を両立させなければいけないので今後も国から(JR東海を)指導してほしい」と要望しています。

これに対し、斉藤国交相は鈴木知事の思いを受け止めた上で、「今後、リニア中央新幹線の推進について国土交通省としても協力をお願いしたいと思っている」と呼びかけました。

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