繊維、流通、サービス業などの労働組合が加盟するUAゼンセンは5日、流通部門と総合サービス部門に所属する184組合約3万3000人を対象に行ったカスタマーハラスメント実態調査結果を発表した。
カスタマーハラスメントとは、客が理不尽なクレームや暴言を店員に浴びせ謝罪を強要するといった行為を指す。
UAゼンセンによると、直近2年間でカスハラの被害にあった人は46.8%と2020年に行われた前回の調査と比べて減少した。
UAゼンセンは、報道等によるカスハラに対する認知の拡大や企業の取り組みが減少につながったと分析している一方で、サービス業従事者の約2人に1人がカスハラを受けているとして、さらなる対策が必要としている。
調査で寄せられた具体的なカスハラの内容としては、
・冬の屋外で2時間以上謝罪をさせられた。
・飲食店で食事を終えた客にデザートを持っていって良いか聞いたところ「うるせえ!いま話してるだろうが!てめぇぶっ殺すぞ」とすごい形相で睨まれ、怒鳴りつけられた。このとき客は会話をしていなかった。
・パチンコ店で客に責任者を呼べと言われたので「私です」と答えると、「女じゃ話にならないから男を呼べ」と言われた。
・殴ろうとしたり、車で轢こうとした
・勝手に写真を撮られたり、テーブルに行く度に腕を触られたりした
・飲酒して騒ぐ客に「他のお客様もいるので少し声を下げて頂いてよろしいですか」と声をかけると、執拗に何度も呼び出され、謝罪しろと言われ、動画を撮影された。警察を呼んだが、全く心当たりのない酷い中傷をネット上に掲載された。
・「女のくせに」と暴言を吐かれ後で木刀を持って再来店され非常に恐怖を覚えた。
・売り場に自転車で乗り入れたので注意したら、自転車を倒して足にぶつけられ、暴言を吐かれた。
また、迷惑行為をしていた客の推定年齢については、10歳代が0.2%、20歳代が2.0%、30歳代が8.6%、40歳代が18.9%、50歳代が30.8%、60歳代が28.0%、70歳以上が11.5%と、年齢層が高い方が多かった。
カスハラを巡っては、東京都が全国初のカスハラ防止条例制定に向け、官民を問わず幅広く対策を求める方針を取りまとめるなど、対策の検討が進んでいる。
(※写真はイメージ)
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