警視庁

 社債の販売代金を顧客からだまし取ったとして、警視庁生活経済課は4日、債務保証会社「トラステール」(東京都千代田区)社長、高橋章容疑者(61)=東京都千代田区内神田1=ら男性3人を詐欺容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。

 トラステールは遅くとも2022年12月には破綻状態にあったとみられるが、3人はそれ以降も元本保証や高利回りの配当を約束し、社債販売を継続していたとみられる。警視庁は集めた金を配当に充てる「自転車操業」だったとみている。

 捜査関係者によると、他に再逮捕されたのはトラステール取締役の鈴木成樹(71)=東京都港区麻布十番3、一般社団法人代表理事の竹井和徳(64)=東京都練馬区関町東1=の両容疑者。

 3人は23年1~2月ごろ、30代男性ら3人に「年利20%相当の配当がもらえ、契約満了時には元本を返済する」とうそをつき、トラステールの社債を販売し、計約1200万円をだまし取った疑いがある。

 トラステールは医療機関に対する融資保証事業をする会社と説明されていたが、実体は無かった可能性があるという。

 社債販売を巡っては、再逮捕された3人を含め、無登録で社債を購入するよう勧誘したとして、金融コンサルタント会社「ザ・グランシールド」(東京都中央区)社長の中村佳敬容疑者(46)=東京都江東区豊洲1=ら男女9人が、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで逮捕されていた。

 トラステールはグランシールドを通じて、社債などの販売名目で17~23年、36都府県の約1300人から計約80億円を集めたとみられる。23年2月には出資者への配当が止まり、東京地裁が同10月にトラステールの破産手続き開始を決定していた。【加藤昌平】

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