特殊詐欺への注意を呼び掛ける「キュウソネコカミ」のメンバー(県警の公式チャンネルより)

 特殊詐欺被害を未然に防ごうと、和歌山県警は、同県御坊市出身のヤマサキセイヤさんがボーカル・ギターを担当し、「特殊詐欺被害防止広報大使」を務める人気ロックバンド「キュウソネコカミ」を起用した啓発動画を公開している。警察官の制服姿のメンバーが、「『絶対儲(もう)かる』『簡単に稼げる』、そんなウマい話はありませんよ!」などと呼び掛けている。

 動画は、国際電話番号編▽サポート詐欺編▽投資・副業編▽投資編――の4本で、それぞれ39~43秒。「勉強会と称しLINEグループに誘われたらサギの可能性大!」などと字幕付きで注意を促し、県警の特殊詐欺被害防止専用フリーダイヤル「ちょっと確認電話」(0120・508(これは)・878(わなや))への相談を呼び掛ける内容。動画配信サイト「ユーチューブ」の県警公式アカウントで視聴できる。

 県警によると、今年1~4月の県内の特殊詐欺の被害件数(暫定値)は35件で、被害総額は約9000万円。被害が急増している、SNS(ネット交流サービス)を使った投資詐欺などを今年から独立集計しており、同期間の被害は45件、計約4億8260万円となっている。5月21日に和歌山市の70代女性が「保釈保証金」名目で1億円の被害に遭ったばかりで、県警は予定より1週間ほど前倒しし、27日から動画を公開している。

 若者を含む幅広い世代が被害に遭っており、県警生活安全企画課の担当者は「県にゆかりがある著名なロックバンドを起用し、一人でも多く視聴してもらうことで被害防止につなげたい」と期待を寄せている。【藤木俊治】

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