JR東海の丹羽俊介社長は30日、静岡県知事選で前浜松市長の鈴木康友氏（66）が当選したことについて「一段と密接に意思疎通をしていきたい」と語った。静岡市葵区のホテルで行われた記者会見で報道陣の質問に答えた。
丹羽社長は、辞任した川勝平太・前静岡県知事在任中から着工ができずにいるリニア中央新幹線静岡工区のトンネル工事について「一日でも早く着手したい。そのためにも地域の方々の理解と協力を頂戴できるよう引き続き双方向のコミュニケーションを大切にしながら真摯に対応していく」と話した。
鈴木氏はリニアの「推進」を公約に掲げて9日告示の知事選に立候補した。しかし、選挙期間中に岐阜県瑞浪市のリニアのトンネル掘削工事現場近くで2月に井戸などの水位低下が起きていたことが報道で発覚。推進の訴えをトーンダウンさせていた。
29日の就任記者会見で鈴木知事は、水位低下から2カ月近くもJR東海から岐阜県への報告がなかったことについて「信頼性の問題だ。報告が遅れると不信を広げる」と批判していた。【丹野恒一】
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