札幌市内の中学校で、女性教師が生徒267人分の成績や人間関係など個人情報が書かれたファイルを体育館に8日間置き忘れ、生徒十数人が見ていたことが分かりました。

 中にはスマホで撮影した生徒もいました。

 札幌市教育委員会によりますと、札幌市北区の札幌市立あいの里東中学校で4月10日午後4時ごろ、1年生のクラス担任の女性教師が体育館のステージ上の演台に生徒の個人情報が書かれた書類が含まれたファイルを置き忘れました。

 書類は十数枚で、1年生(8クラス)267人の氏名、性別、成績、家族構成のほか、忘れ物が多いなどの学校生活の情報、仲が良い生徒や悪い生徒の名前などの人間関係、さらには、どういう場面で不安を感じるか、思いが空回りして泣いてしまうことがあるなど具体的な生徒の性格などが書かれてありました。

 女性教師は学年集会のためにファイルを体育館に持参していて、置き忘れた2日後に紛失に気付き同僚の教師と一緒に捜しましたが見つかりませんでした。

 女性教師は同僚教師に対しファイルに個人情報が含まれていることを伝えず、管理職である教頭と校長にも報告しませんでした。

 8日後の4月18日午後6時ごろ、保護者から「子どもが『1年生の個人情報が書かれている資料を体育館のステージ上で見た』と話している。不適切ではないか」などと教頭に連絡がありました。

 教頭らが捜したところ、体育館のステージ上の演台付近でファイルが見つかりました。

 学校側が体育館で部活をしていた生徒など書類を見た可能性のある生徒79人に聞き取りをしたところ、十数人が見たことが確認されたということです。

 中には十数枚の書類のほとんどをスマホで写真撮影し部活の仲間と見た生徒もいましたが、写真はSNSなど外部に漏れたことはなく5月14日に削除されました。

 書類に書かれていたのは1年生の個人情報でしたが、見たのが確認されたのは2、3年生の生徒だけでした。

 教育委員会は再発防止に取り組むとともに、女性教師が紛失したことや管理職に報告しなかったことなどが不適切だったとして、女性教師を含む関係者の処分を検討しています。

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