書の練習をする日本航空高校石川の書道部員たち=同校提供

 7月に愛媛県四国中央市で開かれる「第17回書道パフォーマンス甲子園(全国高校書道パフォーマンス選手権大会)」の本戦に、能登半島地震で被災した石川県の2校が「復興応援枠」で出場することになった。日本航空高校石川(輪島市)と石川県立能登高校(能登町)で、両校とも本戦出場は今回が初めて。

 日本航空高石川は現在、輪島市から東京都青梅市に機能を移している。地震の影響で一時は書道部の存続も危ぶまれた。喜びの半面、不安もあるが、部員18人は良い緊張感で練習に励んでいる。部長の松本朱花さん(3年)は「能登の人たちへのエールになり、能登を支援してくださった全国の方たちに感謝を伝えるパフォーマンスをしたい」と意気込む。

 能登高の書道部員6人は、全員が能登町在住。被災して仮設住宅から通っている生徒もいるが、平日の放課後だけでなく、週末にも練習を重ねている。顧問の川口彩教諭は「震災を経験した私たちだからこそできるものがないか、模索したい」と話した。

 両校の本戦出場は、22日の実行委員会で決まった。第17回大会には全国109校が参加し、復興応援枠を合わせ23校が本戦に出場する。同枠を除く21校は予選審査を経て6月14日に発表される。本戦は7月28日に四国中央市の伊予三島運動公園体育館で開かれる。

 同甲子園ではこれまでにも東日本大震災発生の翌2012年の第5回大会で岩手、宮城両県の計3校、熊本地震発生の翌17年の第10回大会で熊本県の1校を本戦に招待している。実行委会長の篠原実・四国中央市長は「両校は依然として厳しい状況だが、本戦出場を通じて、選手や学校、地域の皆さんに夢や希望を感じていただき、復興の一助になればと考えている」とコメントした。【山中宏之】

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