NTT西日本の子会社から約900万件の顧客情報が流出した事件で、不正競争防止法違反の罪に問われている元派遣社員の男の初公判が5月23日、岡山地裁津山支部で開かれ、男は起訴内容を認めました。裁判は即日結審し、検察側は懲役3年、罰金100万円を求刑しました。

不正競争防止法違反の罪に問われているのは、NTT西日本の子会社の元派遣社員、景山昌浩被告(63)です。起訴状などによりますと景山被告は2023年1月、会社のサーバーにアクセスし、業務委託を結んでいた岡山県鏡野町にある山田養蜂場の顧客情報、約3万3000人分が記録されたファイルデータをダウンロードし、東京の名簿業者に売却したとされています。

岡山地裁津山支部で開かれた23日の初公判で景山被告は、「間違いございません」と起訴内容を認めました。

検察側は冒頭陳述で、景山被告が、車のローンなどの借金返済に窮し、10年前に、大手通信会社で顧客情報が名簿業者に売却された事件から着想を得て、犯行に及んだと指摘しました。

裁判は即日結審し、検察側は、「犯行によって生じた経済的な被害や信用不振は深刻」などとして、懲役3年、罰金100万円を求刑。一方、弁護側は、被告が真摯に反省していることなどから執行猶予付きの判決を求めました。

判決は、7月11日に言い渡されます。

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