知事選に関するアンケート調査の展示を見学する学生たち=静岡大静岡キャンパスで2024年5月16日午後1時20分、最上和喜撮影

 静岡大人文社会科学部の政治学ゼミが同大の学生を対象に知事選に関するアンケート調査を行った結果、「協調型」のリーダーを望む声が最も多かったことが明らかになった。ゼミ生は「前知事がワンマンぶりを問題視されたことも影響したのでは」と分析している。

 アンケートは7~10日にウェブ上で実施し、1~4年生約150人が回答した。それによると、知事に求める資質について「調整力・バランス感覚」と「県民の声を聞く力」がそれぞれ約40%で大部分を占めた。一方、「リーダーシップ・決断力」は17%にとどまった。

WEB1・県知事に求める資質.eps

 候補者に期待する政策(複数回答)では、「経済政策」が81人でトップ。「リニア中央新幹線建設工事への対応」が79人、「教育・子育て」が78人で続いた。そのほか「防災」や「医療・福祉」を重視する声も目立った。今回の知事選で争点に挙げられる「浜岡原発」と「浜松市の新野球場建設」は10人前後と関心の低さが際立った。

 また、全国的な注目を集めるリニア建設で、懸念される静岡のデメリットを一つ以上把握しているかも併せて尋ねた。「知らない」とした県内出身者が5%だったのに対し、県外出身者は29%に上り、認知に約6倍の開きがあった。リニア建設を進めるべきか否かについては、県内外を問わず約半数が「慎重に推進すべき」と回答した。

WEB1・候補者に期待する政策.eps

 調査に携わった2年の塩野修也さん(19)は「カリスマ的なリーダーが飽きられていて、若い世代が描く政治家像の転換期だと感じる」、2年の小長谷笙さん(19)は「候補者が複数出て政策の議論が深まり、関心も高くなっている。自主的にしっかり考えて投票したい」と感想を語った。

 調査結果は28日まで、静岡大静岡キャンパスの図書館ギャラリーで展示される。【最上和喜】

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