1980年に死刑判決が確定した袴田巖さんの裁判をやり直す再審公判で、15回目の公判となった5月22日、検察側が再び死刑を求刑する一方、弁護側が無罪を主張し結審しました。公判を終えた後、巖さんの姉・ひで子さんは会見で「やっと終わった。ホッとしている」と審理を終えた心境を述べています。
1966年に静岡県清水市(現在の静岡市清水区)で味噌製造会社の専務一家4人が殺害され、現金などが奪われた上に放火された事件をめぐっては、袴田巖さんに死刑判決が言い渡されていますが、東京高裁は2023年3月、裁判のやり直しを認める決定を出しています。
こうした中、5月22日に行われた15回目の再審公判で、検察側が改めて袴田さんを死刑とするよう求めた一方、弁護側は無罪を主張し結審しました。
審理を終えて、巖さんの姉・ひで子さんは「ともかく一安心」と安堵した表情を見せた上で、9月26日の判決までは「一服しようと思う」と話しています。
会見におけるひで子さんの冒頭あいさつは以下の通りです。
袴田ひで子さん:
きょうでやっと終わりました。ホッとしております。午前中の裁判、あまり聞こえなんだ…聞いていなかったです。
死刑なんて言わないのかなと思っていたら最後に死刑だか何だかって言っただって。それ、ちょうど聞こえませんでした、私。
それで、午後からは弁護士の反論はすばらしく良くて、これで勝ったようなもんだって、私はいつもそう思っております。
本当に長い裁判で、本当に皆さんもお疲れでございましょうがご苦労様でございました。ありがとう、皆さま。長年ありがとうございました。やっと裁判が終わりました。
9月26日に判決が出るそうです。午後2時からだそうですが、それまでは一服しようと思っています。
きょうは巖に朝、家を出る時に「静岡に行くのはきょうでおしまいだでね」って言ったの。そしたら「ああそう」って言って。たぶんわかっていると思うの。静岡へ行くということは「裁判に行っている」「支援者と一緒に行くんだよ」と言うと、「ああそう」と言っていたから、だからたぶんわかっていて、「9月26日にもう1回行くだけでおしまいだよ」と言って、それから9月26日になったら巖に説明しようと思っています、私は。
いろいろと巖は妄想の世界にいるのでわかるか、わからないかわかりませんが、ともかく「こういう風だよ」と説明したいと思っています。ともかく一安心でございます。どうも皆さま長い間ありがとうございました。
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