武田薬品工業とローソンが募集しているコンビニアレンジレシピの案内=武田薬品工業提供

 大腸や小腸の粘膜に炎症や潰瘍を引き起こす原因不明の難病「炎症性腸疾患(IBD)」。患者の多くが下痢や腹痛、慢性疲労に悩まされ、「食べたいものを食べられない」という悩みも抱えている。5月19日は病気への理解を深めてもらうために設けられた「国際IBDデー」。この日に合わせ、武田薬品工業とローソンは患者がコンビニ商品を食べられるように、アレンジレシピを募集している。

 IBDは大腸の粘膜がただれる「潰瘍性大腸炎」と、消化管全域に炎症が起きる「クローン病」の総称で、比較的若い世代に発症者が多い。故安倍晋三元首相も患っていたが、患者が常にトイレの不安を抱えていたり、食事を制限していたりすることなど、病気への理解は進んでいない。

おにぎりののりは外す

 武田薬品によると、IBDの患者は脂質や食物繊維の多い食材、香辛料などの刺激物、乳製品は控えたほうがよいとされる。患者への聞き取りでは、「コンビニの揚げ物や弁当を我慢している」「コンビニのおにぎりは、のりを取り除いている」といった回答もあった。こうしたことから、患者のための「簡単・時短コンビニアレンジレシピ」の募集を開始した。

 レシピは▽脂質や食物繊維の多い食材、刺激物、乳製品を控える▽家庭の調理家電や調味料で調理でき、難しい技術を必要としない▽時短(10分以内程度)で作れる▽ローソンで販売されている商品が合計100円以上含まれる――が条件。医師や管理栄養士、患者らが「栄養」「楽しさ」「手軽さ」の観点から審査し、上位5作品の応募者には2000円分のクオカードを贈る。

 応募はローソンの募集ページ(https://www.lawson.co.jp/company/activity/topics/detail_jin/1486467_9112.html)から。締め切りは6月12日。

食べられる目安などが分かる「IBDreamお菓子図鑑」=武田薬品工業提供

 ▽「お菓子図鑑」も公開

 また、武田薬品は江崎グリコ、亀田製菓、湖池屋、三幸製菓、不二家、森永製菓、有楽製菓、ロッテの8社と協力し、IBD患者のお菓子選びをサポートするサイト「IBDreamお菓子図鑑(https://www.ibdstation.jp/ibd-intheirshoes/workshop/sweets-book/)」を公開。計220商品について、「このチョコレートならどれくらい食べられるか」などが一目で分かるようになっている。【道永竜命】

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