白川に架かる大甲橋を渡る8800型レトロ調電車。1993年登場。見た目はレトロだが中身は当時の最新型という=熊本市中央区で2024年4月9日午前9時43分、中村敦茂撮影
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 熊本市内を走る路面電車「熊本市電」が8月1日で開業100年を迎える。その長い歩みを反映し、市街には70年以上前の旧型から最新型まで多種多様な車両が行き交い、さながら路面電車の博物館のよう。熊本の街で見られる、主な現役車両を紹介したい。

 市交通局が現在運行する車両は43編成50両。十数のタイプに分けられ、最古参は1951年導入の1060型。現在は1063号車の1両だけが残り、木張りの床や「チン」と鳴るベルが懐かしい。大事に整備をしながら使われ続けている。これを含め、60年までに製造された1350型までの旧型車両は、今も22両が活躍している。

熊本市電の路線
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 変わりダネとして人気なのは5000型。もともと西鉄の旧福岡市内線を走っていた車両で、78年に移籍してきた。現在は平日朝のラッシュ時に投入され、2両連接の大きな輸送力を生かしている。

 80年代以降は新型の時代となり、初のインバーター制御車の8200型(82年)やバリアフリーに配慮した超低床車両の9700型(97年)が登場した。最新型は2014年登場の0800型「COCORO(ココロ)」。工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が腕を振るった2両1編成で、木をふんだんに使った内装で「くつろぎ」を提供している。

 100周年の24年度、交通局は初の3両連接の新型車両の投入も予定している。街の彩りがまた、加わりそうだ。【中村敦茂】

熊本市電

 市交通局が運行する路面電車。1924(大正13)年8月1日開業。西区の田崎橋から(JR)熊本駅前を経由し東区の健軍町を結ぶA系統(9・2キロ)と、西区の上熊本から健軍町に至るB系統(9・4キロ)がある。22年度の乗客数は約890万人。均一運賃で中学生以上180円、小児90円。小学校入学前は無料。

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