中学校の教え子だった40代女性2人を千枚通しで刺したとして殺人未遂の罪に問われた元教員、野沢俊重被告(75)の裁判員裁判で、札幌地裁(井戸俊一裁判長)は17日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役6年)の判決を言い渡した。
判決によると、2023年9月26日、北海道室蘭市内の自宅玄関付近で、訪れてきた女性2人の胸などを複数回突き刺し、全治1週間~1カ月のけがをさせた。
野沢被告は約35年前、刺した女性のうち1人から好意を打ち明けられ、中学2年~高校2年ごろまで性的関係を持っていた。21年に女性とその後輩から「誠意を見せろ」などと300万円を脅し取られ、事件の直前には「先生、ジャニーズのこともあるんだよ」と旧ジャニーズ事務所創業者による性加害問題をちらつかせ、金銭を要求されていた。
井戸裁判長は「事件の発端は生徒と性的関係を持った点にあり、被告に非があると言わざるを得ないが、30年以上たった後に突如金員を脅し取られるなどして徐々に追い詰められていった経緯には一定程度酌むべきものがある」と指摘。さらに「女性2人とは示談が成立している」などとして執行猶予付き判決にした。【伊藤遥】
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