特別住民票が交付された盲導犬のネオと使用者の井出茂樹さん(右)=坂戸市役所で2024年5月15日午後3時5分、仲村隆撮影

 埼玉県坂戸市は15日、市内で活躍する唯一の盲導犬でラブラドール・レトリバーのネオ(2歳オス)に「特別住民票」と「マイナンバーカード」を発行した。市役所であった交付式では、一緒に暮らす視覚障害者の井出茂樹さん(48)=同市在住=に、石川清市長からネオの顔写真入り住民票などが手渡された。

 特別住民票は、公共機関や飲食店などに盲導犬受け入れを義務付けた身体障害者補助犬法が成立して10年となった2012年、井出さんの申し出を受けた坂戸市が全国で初めて発行した。同市での交付はネオが3頭目で、いずれも井出さんが使用者だったという。

 井出さんは「一般市民だけでなく、視覚障害者でも盲導犬に対する理解度がまだ低く、盲導犬が活躍する環境が整っていないのが現実」と話す。同市の視覚障害者196人中、盲導犬利用者は井出さん1人。市によると、県内でもわずか46頭しかいないという。

 石川市長は「飲食店に入るときに断られるなどなかなか理解が広まらない。盲導犬の役割などを市民に知ってほしい」と話した。【仲村隆】

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