水俣病被害者らの団体の持ち時間が3分だったことについて「十分ではなかった」と話す伊藤信太郎環境相=東京都千代田区で2024年5月14日午前9時18分、山口智撮影

 伊藤信太郎環境相と水俣病患者・被害者らの懇談の場で、環境省職員が被害者らの発言中にマイクの音を切った問題で、伊藤氏は14日の閣議後記者会見で、1団体「3分」という時間制限は遅くとも2017年から運用していたと明らかにした。伊藤氏は3分という各団体の持ち時間について「十分ではない」とし、今後は発言時間や開催日程を見直すという。

 環境省が懇談の場に向けて事前に準備していた進行表では、「3分でマイクオフ」と記載されていた。持ち時間を超過した際にマイクを切る運用は遅くとも23年には取り入れられていたというが、経緯は不明としている。

 また、伊藤氏は14日、省内で水俣病対策を部署横断的に進めるタスクフォースを設置したと発表した。伊藤氏ら政務三役のほか、水俣病対策を担当する特殊疾病対策室の職員、他部署の幹部ら計29人で構成。被害者らの声を聞く機会を増やし、今後の施策に反映させていくという。伊藤氏は「実情をきめ細かく把握し、現行法制の下で一人でも多く被害者を救うため、できることをしていきたい」と述べた。

 タスクフォースメンバーの一人は「(水俣病の公式確認から)時間が経過し(水俣病被害者らへの)思いが希薄になってきているのではないか。マイク遮断問題は大反省しなければならない問題で、環境省としてゼロから始めるしかない」と話した。【山口智】

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