記者会見で謝罪する近畿大学病院の松村謙臣主任教授(左)ら=大阪府富田林市で2024年5月13日午後2時2分、新宮達撮影

 近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)は13日、妊婦健診時に撮影した胎児のエコー動画を誤って別の妊婦に渡すミスがあったと発表した。病院側が録画機器の操作を誤っていたのが原因という。

 同病院によると、2022年11月~24年3月に産婦人科を受診した妊婦155人の動画で、延べ926本が流出した可能性がある。動画には妊婦の氏名がアルファベットで表記され、妊娠週数や胎児の身長なども含まれていた。3月7日に2人の妊婦から連絡があり、発覚。現時点で8人分の動画が別の妊婦に渡っていることが確認された。

 胎児のエコー動画は、提供を希望する妊婦のために病院側で撮影・録画していた。本来は妊婦1人ずつの動画データを保存するが、機器の操作を誤り、複数人分をまとめて保存する状態になっていたという。

 また、同病院は04~17年に出産した患者の氏名や検査結果など、約2000人分の個人情報が流出した可能性があることも明らかにした。当時勤務していた40代の医師が、個人パソコンに患者の氏名や血液検査などの診療情報をデータにして保管。2月末にインターネットでサポート詐欺の被害に遭い、第三者が閲覧できる状態になっていたという。

 個人パソコンに患者データを保管するには病院への申請が必要だが、医師は怠っていた。病院はこの医師との契約を3月末で打ち切った。

 同病院は6月12日までの午前10時~午後7時、情報漏えいに関する相談を受け付けるコールセンター(0120・700・150)を設置する。【新宮達】

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