大手銀行5行が4月30日に発表した5月の住宅ローン金利は、10年固定型を各行がそろって引き上げた。三井住友銀行が10年固定の最優遇金利を4月に比べ0.31%高い1.70%に設定し、他の4行も0.08〜0.14%引き上げた。長期金利の上昇を反映し、10年固定の優遇前の金利は大手行平均で23年11月以来の水準となった。

りそな銀行は10年固定の最優遇金利を0.14%上げて1.78%に、みずほ銀行は0.1%高い1.5%に、三井住友信託銀行は0.12%高い1.345%に、三菱UFJ銀行は0.08%高い1.06%にした。

大手行は優遇前の基準金利も最優遇金利と同じ水準引き上げた。利上げ幅が最大となった三井住友銀は「営業戦略上の理由」と説明している。

住宅ローンは大きく固定型と変動型の2種類に分かれる。固定型は長期金利、変動型は短期金利に連動する。

大手行が金利を上げたのは日銀が3月に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を撤廃し、長期金利が0.9%近くまで上昇したことが背景にある。

住宅ローン市場は変動型が約7割を占める。大手行は短期金利に連動する変動型の基準金利を各行とも2.475%で据え置いた。日銀の3月のマイナス金利政策の解除を受けても変動型住宅ローンの基準となる短期プライムレート(短プラ)の水準を据え置いているためだ。

低い金利を強みに変動型住宅ローンの顧客を集めてきたネット銀行や流通系銀行は、住信SBIネット銀行とイオン銀行が住宅ローンの基準金利を引き上げたが、優遇措置適用後の最優遇金利は据え置いている。

住信SBIの5月の変動型住宅ローンでの最優遇金利は0.298%と4月から横ばいだ。auじぶん銀行やソニー銀行も据え置くと決めた。

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