八十二銀行は30日、綿半ホールディングス(HD)に脱炭素に向けた目標の達成状況に応じ金利を優遇する「サステナビリティ・リンク・ローン」(SLL)を実行したと発表した。融資額は30億円で、綿半HDは傘下で経営再建を進める征矢野建材(長野県松本市)の運転資金に充てる。

資金調達により征矢野建材の債務整理が進む見込みだ。同社は長野県と連携したバイオマス発電事業が不振に陥り、2023年8月に民事再生法の適用を申請していた。スポンサー支援は綿半HDが担い、24年6月には社名を「綿半建材」に改称する予定だ。

SLLでは二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えるため、綿半HDの建設事業で手掛ける非住宅分野の木造建物の面積拡大に取り組む。34年3月期に累計の延べ床面積を2万5000平方メートル以上に引き上げる目標を掲げ、途中の年度における達成状況に応じて金利を優遇する。木造建物は鉄骨を利用する工法と比較すると工期が短く、建設時の重機も小型でよいなどの理由でCO2の排出量を低減できるという。

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