【ロンドン=大西康平】イタリア金融大手ウニクレディトは18日、ドイツ金融大手コメルツ銀行の株式の保有比率を約28%に引き上げる契約を結んだと発表した。現物株で9.5%分、デリバティブ(金融派生商品)取引で約18.5%分になると明らかにした。
ウニクレディトは契約相手は明らかにしていない。同行株の10%超から29.9%までの取得に必要な申請を規制当局に提出した。承認が下りれば、デリバティブの持ち分を現物株に転換する見通しだ。
9月には同行株の約9%の取得を発表し、さらに保有割合を約21%まで引き上げるデリバティブ取引を結んだと明かしていた。
ウニクレディトは11月にイタリア同業のバンコBPMの買収提案を発表した。コメルツ銀行については「同行との話し合いは目前に迫った独総選挙と利害関係者への配慮から既に長引いている」との認識を示していたが、今回の追加取得でなお出資意欲が続いていることが明らかになった。
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