JR東日本の社員が自ら開発した「社内物品転活用アプリ」のデモ画面(同社提供)

 JR東日本は、プログラミング知識のない一般社員が仕事の現場で役立つアプリを自ら開発して業務を効率化する取り組みを進めている。2027年度末までに全社員の約1割がこうした技能を身に付けるのが目標で、デジタルに強い人材の育成に力を入れる。  社員用のタブレット端末から「社内物品転活用アプリ」を起動すると、書類棚やモニター、文房具などの画像がずらりと並ぶ。不要になった備品を必要とする部署に譲渡するアプリだ。配送の送り状がワンタッチで印刷できるなど、やりとりが簡単にできる。首都圏本部企画総務部の安部健司さん(44)が開発した。  安部さんは駅員などを務めてきた普通の鉄道マン。プログラミング不要な「ノーコード」でアプリを作れる米マイクロソフトのツールで21年夏に試作し、一部の部署で導入した。好評となり、全社的に利用が拡大。メッセージ機能を追加するなどして改良した。アプリによる譲渡は24年3月までに約2800件に上り、経費削減効果は数千万円と試算する。  JR東では他にも、運行トラブル時に他社線への振り替え輸送を乗客に分かりやすく案内したり、害獣の出没場所を共有したりする社内アプリが活用されている。


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