決算発表の記者会見に臨む山陰合同銀行の山崎徹頭取(11日、松江市内の本店)

山陰合同銀行が11日発表した2024年4〜9月期の連結純利益は、前年同期比26%増の83億円だった。貸出金利息が伸びたほか、法人・個人向けのコンサルティング業務が堅調で役務取引等利益も増えた。山崎徹頭取は「地元の資金ニーズに積極的に応えていきたい」として、山陰を中心に本業支援をさらに強化する考えを示した。

預金残高は13%増の6兆4675億円。貸出金残高は10%増の4兆8053億円だった。東京や関西、山陽を中心に2ケタ増となったが、山陰両県はいずれも1%程度の伸びにとどまった。

単体の本業のもうけを示すコア業務純益(投信解約損益除く)は3%増の165億円。連結の貸出金利息が18%増の292億円と伸びたのが寄与した。役務取引等利益は3%増えて64億円だった。

貸出残高が増えたことで与信費用は2.6倍の68億円に拡大した。貸倒引当金を51億円「予防的に」積み増したとしている。

単体の有価証券の評価損益は667億円の含み損と、24年3月期と比べて52億円悪化した。日銀の金融政策変更を受け、国債を中心に含み損が拡大した。山崎頭取は「満期があるものが大半で、一定の期間で損益は改善していく」として、損失処理を急がない考えを示した。

25年3月期の業績について、売上高にあたる経常収益を前年同期比10%増の1319億円に上方修正した。純利益は同8%増の182億円とする当初予想を据え置いた。年間配当も9円増の48円を維持する。

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