岩井コスモ証券を傘下に持つ岩井コスモホールディングス(HD)が26日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比56%増の55億円と、3期ぶりに最終増益に転じた。前期は株式市場が活況となり、主力とする米国株の取引が業績を押し上げた。
売上高に相当する営業収益は22%増の240億円と、2012年の岩井証券とコスモ証券の合併後で最高となった。営業収益のうち、外国株の店頭取引の収益などを含むトレーディング損益は95%増の106億円まで伸びた。
笹川貴生社長は同日の決算記者会見で「生成AI(人工知能)で成長が見込まれる半導体関連銘柄が相場をけん引し、日米とも活況な市場環境が続いた」と振り返った。25年3月期の業績見通しについて、沖津嘉昭会長は「企業の業績が非常にいいため、前期並み、あるいは上回るのではないかとみている」とした。
24年に始まった新たな少額投資非課税制度(NISA)について、沖津会長は「投資家の増加につながっているのは事実だ」としつつ、「(個人投資家は投資信託などを)買って様子を見る姿勢のため、すぐに証券会社の業績向上につながることはないだろう」との見方を示した。
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