【ニューヨーク=竹内弘文】米連邦破産裁判所の判事は7日、経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXトレーディングの再建計画を承認した。同社が2022年11月に経営破綻して以来、最大165億ドル(約2兆4400億円)の資産を回収し、債権者である顧客への全額払い戻しが実現する見通しだ。
仮想通貨相場の上昇を受けて手元に残っていた仮想通貨の価値が高まっていた。FTXのベンチャー投資部門が保有していた対話型人工知能(AI)開発アンスロピックの株式価値向上などもあり資金回収額が増えた。
ロイター通信によるとFTXの交換所に5万ドル以下の資産を預けていた利用者の98%に対し、60日以内に弁済が実施される予定という。FTXは別途、弁済開始日を発表する予定だ。破綻後に経営を引き継いだジョン・レイ最高経営責任者(CEO)は7日の声明で「史上最も大きく、複雑な破産財産の分配を通じて、債権額と利息分を弁済する態勢を整えている」と述べた。
FTXは世界有数の取引量を誇りながら22年11月初旬に顧客資産のずさんな管理体制が露呈。信用不安が高まると同月11日に米連邦破産法第11条(チャプター11)適用を申請して経営破綻した。100万人を超す世界の利用者が影響を受けた。
創業者のサム・バンクマン・フリード被告は顧客や投資家への詐欺などの罪で米国で訴追され、一審で禁錮25年の判決が下った。同被告は不服として控訴中だ。
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